オーストラリアに永住(移住)したいと思っています。パースは永住権が取りやすい、という話を聞いたことがあるのですが、本当ですか?
今日はこんな疑問にお答えします。
本記事はこんな方におすすめ
- オーストラリアに永住•移住したい
- パースが大好きで、いつかここに住みたい、と思っている
- オーストラリアへの永住•移住を視野に入れた留学を検討している
本記事の信頼性
3年半の留学について赤裸々に語っている留学体験談は、おかげさまでたくさんの皆さんから共感をいただいています。
オーストラリアで留学やワーホリをしてみて、このままこの国に住みたい!と思う方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私もオーストラリアのパースで留学をして、どんどんこの環境が大好きになっていって、留学の途中から「いつかパースに住めたらいいな」と思うようになりました。
私たちACCは日経で唯一パースに特化した留学エージェントであり、センター長の岡はオーストラリアで調理師として自力で永住権を取得しました。
その経験を活かし、ACCではこれまでたくさんの方の永住権取得までの道のりをサポートさせていただいています。
そんなACCが2022年のパースの状況と、提携のビザコンサルタントからの最新情報を織り交ぜながら、オーストラリアのパースは永住権が取りやすいのか?について詳しく考察します。
【2022年更新】オーストラリアで永住権が取りやすい職種とは?
オーストラリアで永住権が取りやすい職種はあるのか?オーストラリアで自力で永住権を取得したコンサルタントが在籍するACCでは、これまで数々の永住権取得までの道のりをサポートしてきています。永住に関してよくいただく質問に、丁寧に答えます。
オーストラリアのパースは永住権が取りやすいのか?
結論から言うと、パースが地方指定地域に認定され、かつRSMSと呼ばれる地方スポンサー付き永住権が存在した2010年9月~2017年3月の期間と比べると、申請条件は厳しくなった、と言わざるをえません。
下記で紹介する新しいビザの申請条件が厳しいので、
「もうオーストラリアでは永住権は取れない…」
などの声も上がっていますが、パースのある西オーストラリア州ではそうとも限りません。
ACCがそう考える理由は3つ。
- パースはオーストラリアの「地方都市」として認定されている
- パースのある西オーストラリア州限定の永住権の存在
- アフターコロナの人員不足とビザ軟化の傾向
下記で詳しく解説していきますね。
パースはオーストラリアの「地方都市」として認定されている
パースは2019年11月16日から、ビザ申請において地方指定地域(Regional Area)に認定されました。
これにより、今まで地方指定地域のみでしか申請できなかった永住ビザや永住ビザに関連するビザがパース市内中心部であっても申請できるようになりました。
パースから数時間以上離れた場所でないと永住権が申請できないという状況から、学校や仕事が集中しているパース中心部でも申請できるようになったのは大きな進歩と言えます。
ちなみにパースは2010年9月~2017年3月の間も地方指定地域になっていました。その頃はRSMS(Regional Sponsored Migration Scheme)という、地方スポンサー付永住権が主流でしたが、RSMSビザも今は廃止されていて、このようにオーストラリアではビザに関する動きが頻繁にあります。
西オーストラリア州限定の永住権の存在
下記で詳しく解説しますが、古いビザが廃止され、新しいビザが導入されたことにより、パースのある西オーストラリア州限定の永住権も登場しました。
その申請条件も一部緩和されています。
パースは新型コロナウイルスの影響により人手不足が深刻化
そしてもう一つ、最新情報として忘れてはならないのが、パースは新型コロナウイルスの影響によって、2022年2月現在深刻な人手不足に陥っている、ということです。
【2022年2月最新】オーストラリアのパース留学はいつから?再開時期を大予想!でも触れていますが、西オーストラリア州は2022年3月3日よりオーストラリア国内外に州境をオープンすることを発表しました。
オーストラリアの中でもどこよりも厳しいコロナ対策の結果、パースは他州と比べてもロックダウンの期間が短く、ほぼ日常生活と呼べる毎日を過ごせていましたが、それに伴い、西オーストラリア州内の経済活動は活発なのに留学生やワーキングホリデー、そして移民として新しく人が入ってこないため、どこも仕事が忙しいのに任せられる人がいない、という状況が続いています。
3月に州境が開いたからすぐに人手不足が解消される、というわけではありませんから、しばらくは移民の力を特に必要とする期間が出てくる可能性が高く、今後の動向に注目しています。
なお、すでに一部のビザのルールはすでに緩和されていて、永住権取得に大きく影響する卒業生ビザがこれから留学する方へ向けて良い方向に変わっています。
【2021年最新】オーストラリア留学後現地就職したい方必見!卒業生ビザの変更点まとめ
オーストラリアに現在留学中の方、これから留学したい方で、その後のオーストラリア就職や永住•移住も視野に入れている方必見!オーストラリアの学校を卒業後に申請できる、卒業生ビザのルールが留学生に優しい方向に変更されました!変更点を詳しく解説します。
パースのある西オーストラリア州ならではの永住権
永住権と一口に言っても、実は複数の種類があり、条件や取得方法もそれぞれ異なります。
パースのある西オーストラリア州に特に関連するビザは、下記の4つになります。(★は永住権)
- ★州スポンサー付き技術ビザ − Skilled Nominated visa (subclass 190)
- 地方技術ビザ − Skilled Work Regional (Provisional) (Subclass 491)
- 地方企業スポンサービザ −Skilled Employer Sponsored Regional (Provisional) (Subclass 494)
- ★地方技術永住ビザ − Permanent Residence (Skilled Regional) (Subclass 191)
この他にもパートナービザなど永住権につながるビザが複数ありますが、今回はご自身の学歴や職歴、企業スポンサーによって取得できるオーストラリアの永住権とそれに関連するビザを紹介します。
西オーストラリア州限定の永住権
下記で説明する地方技術ビザ(491)と地方企業スポンサービザ(494)、そして地方技術ビザ(191)は地方指定地域(Regional Area)に認定された場所で共通するビザですが、実は西オーストラリア州のみのルールが追加された永住権があります。
それが州スポンサー付き技術ビザ Skilled Nominated visa (subclass 190)(以下、190ビザ)。
190ビザは、オーストラリアの州政府が各州で不足している職業を州がスポンサーするポイント制の技術独立ビザです。
正式な雇用主スポンサーが不要で、年齢、職歴、学歴、英語力などの項目からポイントを計算し、65ポイントを超えていること、及び申請者が45歳以下ということが申請の条件になります。
このビザにおいて、西オーストラリア州政府は、2018年9月25日より現行のGeneral Streamに加え、新たにGraduate Streamを追加しました。
このGraduate Streamは、フルタイムで2年以上の就学を必要とする西オーストラリア州の大学•大学院(修士、博士課程)を終えた人が申請できる職種が大幅に増えました。
General Streamの職業リストには18種の職業が記載されていますが、新しいGraduate Streamの職業リストにはなんと210種の職業が記載されています!
他の主な申請条件としては
- 英語力はほとんどの職種でIELTSの各科目7.0以上のスコアが求められる
- 就業経験は、オーストラリア国内なら過去10年のうち1年以上、国外の場合は3年以上の経験が必要
- 修士または博士課程修了者の場合は、就業経験の要件が免除される
- 雇用主スポンサーは不要だが、西オーストラリア州の雇用主からの就職のオファー(雇用契約)が必要
が挙げられます。
190ビザのGraduate Streamはパースを含む西オーストラリア州にいる人のみが受けられる恩恵です!
地方技術ビザSkilled Work Regional (Provisional) (Subclass 491)の概要
Skilled Work Regional (Provisional) (Subclass 491)(以下、491ビザ)は、いわゆるポイント制のビザです。
491ビザは以前あったSkilled Regional (Provisional) (subclass 489)の代わりに導入されました。
条件を満たす申請者は、まずExpression of Interest (EOI)を移民省に提出し、Invitationが送られてきた場合に491ビザの申請ができます。
主な条件は下記の通りです。
- ビザ申請者は特定の地方で居住•就労する必要がある
- 特定の地方政府機関からのノミネーションまたはそこに住む家族からのスポンサー
- 申請職種に関連する3年以上の職歴(フルタイム)
- ポイントシステムで65点またはそれ以上 など
491ビザは有効期間5年のビザですが、3年後に条件を満たす491ビザ保持者は、2022年11月より導入される新しい永住権Permanent Residence (Skilled Regional、以下191ビザ)を申請することができます。
地方企業スポンサービザSkilled Employer Sponsored Regional (Provisional) (Subclass494)の概要
Skilled Employer Sponsored Regional (Provisional) (Subclass494) (以下、494ビザ)は、はこれまでの地方都市限定の永住権RSMSビザ (Subclass 187)の代わりに導入されるビザで、勤務先の企業からのスポンサーが求められます。
494ビザ保持者で条件を満たす場合、後に191ビザ(永住権)を申請することができます。
地方技術ビザ(491)と地方企業スポンサービザ(494)に共通する重要なポイントは「職歴」
上記で触れた地方技術ビザ(491)と地方企業スポンサービザ(494)に共通するポイントとして、職業リスト(Skilled Occupation List、通称SOL)に載っている職種である必要があり、その上で、「Post-study」の職歴が最低3年は求められます。
この職歴で注意しなければいけないのが、「Post-study」という条件。
直訳すると、「勉強後」という意味になりますので、関連職種の学位を取得後からの職歴がカウントされる、ということになります。
正直、以前からこの「Post-study」というルールは存在しながらも解釈が曖昧だったのですが、新しいビザになってからは「関連職種の学位を取得後」に厳格化されました。
なお、「関連職種の学位」を取得後の職歴は、どの学位からなのか?というのは、申請する職種により異なりますので、ご注意くださいね。
オーストラリア留学で取得できる学位の種類を徹底解説
オーストラリアで取得できる学位の名前は、日本では聞き慣れないものばかり。しかしどんな職業に就きたいか、永住を視野に入れているか、など様々な観点から、どの学位を取得するのか、どこまで勉強する必要があるのかが異なります。今後のキャリアアップにも影響する、学位の種類を徹底解説します。
オーストラリアの永住権取得のために重要な情報収集の極意
ここまでパースのある西オーストラリア州の永住権について詳しく解説してきましたが、永住権取得を目指すにあたって、皆さんが最初にするであろう情報収集で、その後の取得の可能性を左右する大切なポイントが隠されています。
まず前提として、オーストラリアの移民法は驚くほど頻繁に変わります。
マイナーチェンジであれば少なくとも年に1〜2回、大きな変更も3〜5年に1度くらいは目にする機会があります。
そのため、大事なことは調べている情報が本当に最新の情報かどうか。
人は誰しもが自分の欲しい情報を手に入れたいから、自分が信じたい情報が本当の情報だ、と思い込んでしまうことがあります。
しかし、その情報が古く、すでにルールが変わってしまっていたからビザの申請ができなかった、という方も残念ながら見てきました。
こういった事態を避けるためにも、常に「最新の」「正しい」情報を確認するように癖づけていきましょう。
私たちも提携するビザコンサルタントから情報を得て、できる限り最新の情報をお届けしていますが、情報は日々変わりますので、必ずオーストラリア移民省のウェブサイトも同時にご確認ください。
まとめ
今回はオーストラリアのパースは永住権が取りやすいのか?について考察しました。
繰り返しになりますが、オーストラリアでは移民法が頻繁に変更されるため、ビザの動向も、良くも悪くも真逆の方向に変わることもあります。
例えば上記で解説した491、494ビザが導入された後も、対象となる職種の数が増えたり、190ビザ(州スポンサー付き技術ビザ)では大学•大学院で勉強された方向けの新しいカテゴリー(Graduate Stream)が誕生したり、オーストラリア政府として、特にパースのような地方都市に引き続き移民を受け入れたいという動きはあります。
オーストラリアは移民国家であり、「Australia needs skills(オーストラリアはスキルを必要としている)」という大きな軸は常に持ち続けています。
パースもまだまだ可能性がある場所ですし、できるだけビザの変更に左右されずに永住への道を辿っていきたいですよね。
【2022年更新】オーストラリアで永住権が取りやすい職種とは?
オーストラリアで永住権が取りやすい職種はあるのか?オーストラリアで自力で永住権を取得したコンサルタントが在籍するACCでは、これまで数々の永住権取得までの道のりをサポートしてきています。永住に関してよくいただく質問に、丁寧に答えます。
ACCでは自力で永住権を取得したコンサルタントが、これから進む道を一緒に、真剣に考えますので、お気軽にご相談くださいね。
※今回のブログの内容は、ACC提携のビザコンサルタントに確認の上、一般的な解釈について述べています。上記情報は移民省の都合により予告なく変更となる可能性がありますので、予めご了承ください。また、個人個人のビザの取得の可能性はそれぞれの状況や条件によって異なりますので、具体的なご相談をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。